無所属の東村山市議会議員・佐藤まさたかです。市議としての活動、考え、こぼれ話、余談、雑感…。実感ある発信を続けていきたいと思っています。
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昨日(19日)、公立昭和病院への視察に参加しました。
昭和病院は、小平市、西東京市、東久留米市、小金井市、清瀬市、東大和市、武蔵村山市、そして東村山市の8市が一部事務組合を構成し運営しているものですが、そこにも議会があって、各市から2名ずつの議員が選出されています。
今回の視察は、東村山市議会から今期選出されている鈴木忠文議員と島田久仁議員が、病院の新棟増築がされたことや、救急搬送拒否問題等の現状が伝えられる中、一人でも多くの議員が実状を正しく知ることが大事だとで判断されて呼びかけられたものでした。
通常、一部事務組合の様子はなかなか全議員が知る機会がなかったのですが、今回の一堂に会しての視察は、極めて有意義なものでした。
言い古された言葉ですが、まさに百聞は一見にしかず、です。
圏域図
議員26名中19名と、議会事務局職員が参加しましたが、病院側も多忙な中、関係する部長さんと施設担当職員総出で受け入れてくださいました。
視察のテーマは3つ。
1.救命救急医療体制について
2.周産期医療・小児医療について
3.新棟(南棟)の見学

まず、業務部長さんから救命救急医療体制についてのお話を伺いましたが、一言で言って、救命救急医療の最前線は今、想像を絶する過酷な状況にあることを痛感しました。

中でもまず、救急当直の医師の勤務体制の現実には愕然としました。
朝8時30分から夕方5時15分まで勤務された後、そのまま翌朝8時30分までの当直として勤務。そしてここで帰れるのかと思いきや、昼間の診察を支えるためにそのまま当直明けで勤務…。仮眠が許されているとはいえ、大変過酷なこの勤務を、最低週1回、小児科や産婦人科等は2回こなさなければならない現実だそうです。
もちろんこの状態が法的にも、そして何より医師の心身を考えた上で芳しくないことは病院自身が重々承知をされています。
しかし現実に、どうしようもない中で現場の医師たちは医療を支えています。

現在多摩地区に8つある救急救命センター承認病院(都立府中病院・武蔵野赤十字病院・青梅市立病院・日医大多摩永山病院・東京医科大八王子医療センター・国立病院東京災害医療センター・杏林大学病院・昭和病院)のうち、あるべき3交代勤務が確立できているのは、三鷹の杏林大学病院のみだそうです。
ちなみに、救命救急センター(3次救急)とは、生命の危機を伴う重症・重篤患者に対する専門的な治療を、365日24時間体制で担っている救急病院のことを言います。

昭和病院では毎晩当直体制として、内科系1・小児科1・外科系1・産婦人科1・救急医学科1・脳外科1・CCU(循環器)1・麻酔科1の計10名+αの医師と、看護師6名、技師や検査関係が5名が待機しているそうですが、それでも重篤な患者が運ばれてきた場合、医師は1対1で診なければならず、その時にさらに重症患者の受入れ要請が来た場合はどうにもならないとのこと。
以前は多くの病院で、担当科の医師以外がやむを得ず診るというケース(内科系同士、外科系同士、などというように)もあったそうです。しかし、2年ほど前、どうしても診てほしいという患者側の求めに応じて行った医療行為で生じた過誤で過失が認定されて敗訴した判決が大阪の方で出されて以来、専門以外を診ることは極めて難しくなったという事情も困難を増すことにつながっているとのこと。

また、医師不足を解消せよ、などと私たちは議会で軽々に論じてしまうことがありますが、現実には全国的に不足している小さなパイを奪い合うことになるだけで、根本的に医師の増員を図らない限り全く解決にはつながらないわけです。
特に不足が指摘される小児科と産婦人科ですが、医大を出て研修医としての段階ではけっこう志望者はいるのだそうです。ところが、2年間の研修を終えると、あまりの条件の厳しさから他科に移ってしまう若者が多いとのこと。

それでも、現在3名の産婦人科医師が、4月から3名増えることになって胸を投げおろしているんです、とおっしゃる総務部長さんは本当にうれしそうでした。

とはいえ、病院として現状の厳しさに手をこまぬいているわけではなく、救急搬送断りを改善すべく、できるところから対策を講じていました。
医師の増員や当直明け勤務の改善、病床運用の見直し等を進める中で、最も力を入れているのが、医療機能の分担・連携ということ。
救急医療体制には、初期、2次、3次という役割分担がありますが、各医療機関の分担が極めて重要な課題だと強調されていました。

また、現在救急車で搬送される人員の6割強が軽症患者で、現実には軽症で運ばれてくる患者の対応に追われて重症患者が受け入れられないといった事態が発生していることを改めて確認し、救急外来の受診について市民の側が正しい認識を持つことの重要性を痛感しました。

「決して診たくないわけではないんです。診たくても診られない状況、なぜ断らざるを得ないのか、ということもまた、ぜひ多くの方に知っていただきたい。」
その言葉が重く響きました。

各議員からも多くの質問がされた後、現在引っ越し中の新棟(南棟)のうち、まだ使用されていないフロアを見学させていただきました。

工事情報板

救急車が横づけできる新たな救命救急センター入口

救急処置室

病室


病院は何をやっているんだ!何とかしろ!と言う気持もわかりますし、患者当事者となれば当然の声だとも思います。
国をあげてちゃんと金をかけなければどうにもならない、私たちレベルでは如何ともしがたい問題の方が多いかもしれません。
けれど、私たちにもできることがある。しなくてはならないことがある。
そう強く感じながら帰ってきました。

そういえば先日カーラジオを聞いていたら、搬送拒否問題に悩む昭和病院について伝える新聞の記事に対して、大問題だ!とんでもない!と病院を責め立てて息巻いている東村山市議会議員の声が聞こえてきました。彼は一切の視察を無駄だと言い切り、決して来ることはありません。見なくても聞かなくても全部わかっていると言うのでしょうか?
それはそれで全く悲しく情けない話だと思いますが、それぞれの立場や考えを大事にしながら、情報と課題認識は共有し、ともに考えてよりよい答えを模索していく市議会に変えていかなくてはならない、ということも改めて思う視察でした。
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議員26名中19名と、議会事務局職員が参加しましたが、病院側も多忙な中、関係する部長さんと施設担当職員総出で受け入れてくださいました。
視察のテーマは3つ。
1.救命救急医療体制について
2.周産期医療・小児医療について
3.新棟(南棟)の見学

まず、業務部長さんから救命救急医療体制についてのお話を伺いましたが、一言で言って、救命救急医療の最前線は今、想像を絶する過酷な状況にあることを痛感しました。

中でもまず、救急当直の医師の勤務体制の現実には愕然としました。
朝8時30分から夕方5時15分まで勤務された後、そのまま翌朝8時30分までの当直として勤務。そしてここで帰れるのかと思いきや、昼間の診察を支えるためにそのまま当直明けで勤務…。仮眠が許されているとはいえ、大変過酷なこの勤務を、最低週1回、小児科や産婦人科等は2回こなさなければならない現実だそうです。
もちろんこの状態が法的にも、そして何より医師の心身を考えた上で芳しくないことは病院自身が重々承知をされています。
しかし現実に、どうしようもない中で現場の医師たちは医療を支えています。

現在多摩地区に8つある救急救命センター承認病院(都立府中病院・武蔵野赤十字病院・青梅市立病院・日医大多摩永山病院・東京医科大八王子医療センター・国立病院東京災害医療センター・杏林大学病院・昭和病院)のうち、あるべき3交代勤務が確立できているのは、三鷹の杏林大学病院のみだそうです。
ちなみに、救命救急センター(3次救急)とは、生命の危機を伴う重症・重篤患者に対する専門的な治療を、365日24時間体制で担っている救急病院のことを言います。

昭和病院では毎晩当直体制として、内科系1・小児科1・外科系1・産婦人科1・救急医学科1・脳外科1・CCU(循環器)1・麻酔科1の計10名+αの医師と、看護師6名、技師や検査関係が5名が待機しているそうですが、それでも重篤な患者が運ばれてきた場合、医師は1対1で診なければならず、その時にさらに重症患者の受入れ要請が来た場合はどうにもならないとのこと。
以前は多くの病院で、担当科の医師以外がやむを得ず診るというケース(内科系同士、外科系同士、などというように)もあったそうです。しかし、2年ほど前、どうしても診てほしいという患者側の求めに応じて行った医療行為で生じた過誤で過失が認定されて敗訴した判決が大阪の方で出されて以来、専門以外を診ることは極めて難しくなったという事情も困難を増すことにつながっているとのこと。

また、医師不足を解消せよ、などと私たちは議会で軽々に論じてしまうことがありますが、現実には全国的に不足している小さなパイを奪い合うことになるだけで、根本的に医師の増員を図らない限り全く解決にはつながらないわけです。
特に不足が指摘される小児科と産婦人科ですが、医大を出て研修医としての段階ではけっこう志望者はいるのだそうです。ところが、2年間の研修を終えると、あまりの条件の厳しさから他科に移ってしまう若者が多いとのこと。

それでも、現在3名の産婦人科医師が、4月から3名増えることになって胸を投げおろしているんです、とおっしゃる総務部長さんは本当にうれしそうでした。

とはいえ、病院として現状の厳しさに手をこまぬいているわけではなく、救急搬送断りを改善すべく、できるところから対策を講じていました。
医師の増員や当直明け勤務の改善、病床運用の見直し等を進める中で、最も力を入れているのが、医療機能の分担・連携ということ。
救急医療体制には、初期、2次、3次という役割分担がありますが、各医療機関の分担が極めて重要な課題だと強調されていました。

また、現在救急車で搬送される人員の6割強が軽症患者で、現実には軽症で運ばれてくる患者の対応に追われて重症患者が受け入れられないといった事態が発生していることを改めて確認し、救急外来の受診について市民の側が正しい認識を持つことの重要性を痛感しました。

「決して診たくないわけではないんです。診たくても診られない状況、なぜ断らざるを得ないのか、ということもまた、ぜひ多くの方に知っていただきたい。」
その言葉が重く響きました。

各議員からも多くの質問がされた後、現在引っ越し中の新棟(南棟)のうち、まだ使用されていないフロアを見学させていただきました。

工事情報板

救急車が横づけできる新たな救命救急センター入口

救急処置室

病室


病院は何をやっているんだ!何とかしろ!と言う気持もわかりますし、患者当事者となれば当然の声だとも思います。
国をあげてちゃんと金をかけなければどうにもならない、私たちレベルでは如何ともしがたい問題の方が多いかもしれません。
けれど、私たちにもできることがある。しなくてはならないことがある。
そう強く感じながら帰ってきました。

そういえば先日カーラジオを聞いていたら、搬送拒否問題に悩む昭和病院について伝える新聞の記事に対して、大問題だ!とんでもない!と病院を責め立てて息巻いている東村山市議会議員の声が聞こえてきました。彼は一切の視察を無駄だと言い切り、決して来ることはありません。見なくても聞かなくても全部わかっていると言うのでしょうか?
それはそれで全く悲しく情けない話だと思いますが、それぞれの立場や考えを大事にしながら、情報と課題認識は共有し、ともに考えてよりよい答えを模索していく市議会に変えていかなくてはならない、ということも改めて思う視察でした。
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【2008/03/20 23:55】 | 学習会・研修会
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いずれ見学報告書類が出ますか?
たまこ
今回の視察は、議員個々人に任せた任意参加だったのですか?
命がかかわる現場視察はめったに無いだけに、多くの議員に参加して欲しかったですね
有権者として、各議員の危機意識や考え方(又は党派単位参加?)を知る為にも、参加議員名がいずれ報告書等で公表されるのが望ましいですが…どの様な扱いなのでしょうか?

いい報告を有り難う。
長屋の玄さん
「百聞は一見に如かず、百見は一考に如かず、百考は一行に如かず」といいます。今度は「具体的な行動計画」の作成を期待しています。

Re:いずれ見学報告書類が出ますか?
佐藤まさたか
たまこさん コメントありがとうございます。

ええ、今回の参加は任意です。
正直言って今まではこうした場がつくられることはほとんどありませんでした。
複数市の出資により構成されている一部事務組合には、他に、たま循環資源組合(日の出町のゴミ処分場です)や多摩六都科学館、競輪場、競艇場などがありますが、代表が出ているだけなので殆ど様子はわからないまま、ということが通例…。
病院の方も、こうした形での視察を受け入れるの初めて、とおっしゃっていました。

しかし、市民の皆さんの税金で運営されていることは紛れもない事実であり、このような機会が設けられたことは前進だと受け止めています。
各議員が視察結果を議論の素地として共有した上で、今後にどう生かしていけるのかが問われていると思っています。

Re:いい報告を有り難う。
佐藤まさたか
長屋の玄さん
いつもありがとうございます。

そうですね。
地域医療をどう守るのか、という課題は本当に重いもので、現場の実情に接してみて、責任を実感しています。


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コメント
この記事へのコメント
いずれ見学報告書類が出ますか?
今回の視察は、議員個々人に任せた任意参加だったのですか?
命がかかわる現場視察はめったに無いだけに、多くの議員に参加して欲しかったですね
有権者として、各議員の危機意識や考え方(又は党派単位参加?)を知る為にも、参加議員名がいずれ報告書等で公表されるのが望ましいですが…どの様な扱いなのでしょうか?
2008/03/21(Fri) 22:47 | URL  | たまこ #-[ 編集]
いい報告を有り難う。
「百聞は一見に如かず、百見は一考に如かず、百考は一行に如かず」といいます。今度は「具体的な行動計画」の作成を期待しています。
2008/03/22(Sat) 23:57 | URL  | 長屋の玄さん #-[ 編集]
Re:いずれ見学報告書類が出ますか?
たまこさん コメントありがとうございます。

ええ、今回の参加は任意です。
正直言って今まではこうした場がつくられることはほとんどありませんでした。
複数市の出資により構成されている一部事務組合には、他に、たま循環資源組合(日の出町のゴミ処分場です)や多摩六都科学館、競輪場、競艇場などがありますが、代表が出ているだけなので殆ど様子はわからないまま、ということが通例…。
病院の方も、こうした形での視察を受け入れるの初めて、とおっしゃっていました。

しかし、市民の皆さんの税金で運営されていることは紛れもない事実であり、このような機会が設けられたことは前進だと受け止めています。
各議員が視察結果を議論の素地として共有した上で、今後にどう生かしていけるのかが問われていると思っています。
2008/03/26(Wed) 00:56 | URL  | 佐藤まさたか #-[ 編集]
Re:いい報告を有り難う。
長屋の玄さん
いつもありがとうございます。

そうですね。
地域医療をどう守るのか、という課題は本当に重いもので、現場の実情に接してみて、責任を実感しています。
2008/03/26(Wed) 01:00 | URL  | 佐藤まさたか #-[ 編集]
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