無所属の東村山市議会議員・佐藤まさたかです。市議としての活動、考え、こぼれ話、余談、雑感…。実感ある発信を続けていきたいと思っています。
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7月6日に一斉に報じられた保育所の認可基準緩和のニュース。
日経新聞3面には『厚労省、面積規制撤廃へ、「待機児童」解消狙う』として次のような記事がありました。少し長いので、一部省略して転載します。


厚生労働省は国と地方自治体が運営費の一部を補助する認可保育所について、設置基準を約60年ぶりに緩める方針を固めた。子供一人当たりの面積基準を撤廃し、その代わりに設ける新基準を都道府県の判断に委ねる。認可保育所はいまの面積でも受け入れ児童を増やすことが可能になり、無認可保育所は認可を得て補助金を受け取りやすくなる。認可保育所の入所待ちをしている「待機児童」の解消を狙う。2009年度からの実施を目指す。
国が決めた開所時間や保育士の人数などを満たした保育所は、自治体に認可され補助金を受け取れる。
認可保育所の面積基準は全国一律。2歳未満の子供を対象とする「ほふく室」は一人3.3平方メートル以上、2歳以上を対象とする「遊戯室」は1.98平方メートル以上といった規制がある。
厚労省は「保育サービスの質を維持するためには一律の規制が必要」と規制緩和に難色を示してきた。ただ舛添要一厚労相が地方への権限移譲に前向きな姿勢を示し、従来の方針を転換した。
面積基準の撤廃後は「子どもが健康に育つために必要な広さを確保する」との基準にとどめる。
政府はいまの待機児童(約18,000人)に加え、子どもが保育所に入れないために親が働かず自分で育てているという潜在的な待機児童が100万人いると推計。福田康夫首相は今年一月の施政方針演説で「質と量の両面から『新待機児童ゼロ作戦』を展開する」と表明していた。
政府はこれを受けて、今後十年間で保育サービスを受ける子供の数を100万人増やす計画を発表している。



この国のエライ人たちは、まったく何を考えているのでしょう?
役人にとっては、待機児は単に「数」でしかなく、数を減じるためには何でもアリにする、ということなのでしょうか。
こんなことでよいのであれば待機児童はさっさと片付くわけですが、まさに禁じ手に手を染めることを決めた、ということであり、詐欺にも等しい手法だと思います。

平成12年に規制緩和の一環として保育所設置基準を変えたことで、その後いったい何が起きたのか?
東村山で平成15年以来続いている事態は、その最悪の姿を示しています。

先日、札幌で起きたある事件が報じられました。
既に、こちらのブログで詳細を伝えてくださっていますが、無認可保育所を認可保育所にするために社会福祉法人化しようとした際に、経済的基盤がないと認可されないというハードルがあるために偽装工作をしてしまった、という話です。
もちろんルール違反を犯したのですから社会的制裁は受けなければなりませんが、本来経るべき道(社福化)を経ようとしてのことだということがわかります。
一方で、全国で誰も思い持つかなった方法、つまり、一個人が1億数千万円をわずか10年返済・無担保同然で借りこんでハコモノを設置し、開園後は補助金からその返済を最優先するという保育所は、どうして問題とされないのでしょうか?

それまで全く認められていなかった社会福祉法人立以外の設置にあたっても、当然「保育所の設置認可等について」という厚生省通知(通称295号通知)の第一(3)として次のように定めています。


(三) 社会福祉法人以外の者による設置認可申請
(1)審査の基準
社会福祉法人以外の者から保育所の設置認可に関する申請があった場合には、以下の基準に照らして審査すること。

ア  保育所を経営するために必要な経済的基礎があること。

イ  経営者(設置者が法人である場合にあっては、当該法人の経営に携わる役員とする。以下同じ。)が社会的信望を有すること。

ウ  (ア)及び(イ)のいずれにも該当するか、又は(ウ)に該当すること。
(ア)  実務を担当する幹部職員が、保育所等において二年以上勤務した経験を有する者であるか、若しくはこれと同等以上の能力を有すると認められる者であるか、又は、経営者に社会福祉事業について知識経験を有する者を含むこと。
(イ)  社会福祉事業について知識経験を有する者、保育サービスの利用者(これに準ずる者を含む。)及び実務を担当する幹部職員を含む運営委員会(保育所の運営に関し、当該保育所の設置者の相談に応じ、又は意見を述べる委員会をいう。)を設置すること。
(ウ)  経営者に、保育サービスの利用者(これに準ずる者を含む。)及び実務を担当する幹部職員を含むこと。

エ  保育所を経営する事業に関し、不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者でないこと。

オ  財務内容が適正であること。  



りんごっこ保育園の保育材料費が、他園平均の子ども1名あたり月額1,562円に対して177円であることが6月議会で確認されましたが、絵本やおもちゃも殆ど新しいものがなく、園内の備品も多くが百円均一と思われる物だったり、タオルや雑巾を保護者に提供を求めたりしていることが何名もの保護者から伝わってきていますし、職員の処遇についても様々な問題を耳にしています。

年間8,000万円強の補助金収入の中から、何があっても1千数百万円の返済を最優先して決して滞らせてはならないなどという経営環境は、全国探してもほぼ例がありません。
他の自治体ではこういう状態を「経済的基礎がある」とは判断しない、ということでしょう。

このあたりについては、こちらのブログがシリーズで克明に記してくださっています。
開園騒動の頃を知る者の一人として、ぜひ多くの方にお読みいただきたいと思っています。

先日お会いしたりんごっこ保育園の保護者の方が、深いため息をつきながらこうおっしゃいました。
「それでも、保護者との信頼関係をしっかりつくりたい、という思いが園から伝わってくるならば、こんな思いにはならないと思うのです。」

4月1日から送迎時に保護者が園舎内に入れなくなった状況は、3か月半経った今も変わっておらず、不安を訴える声は後を絶ちません。市の窓口にも転園を求める声が続き、昨年度は25名、この4月からだけでも20名以上が転園希望を出しているそうです。
そして、本来は抜き打ち検査の権限さえ持つ東京都福祉保健局の担当課長は、園が「市には権限がない」と居直っていることを十分知りながら、「市の責任でおこなってほしい」と言って未だに腰の引けた対応を続けています。

市議会でも、規制緩和総体を批判し、待機児「数」を解消できない市の責任を追及することには余念がないものの、目の前で起きている酷い現実にはちっとも向き合おうとしない会派があります。

保育士がどんどん入れ替わり、名前と顔が一致しない先生が何人もいる、と聞きます。
先生方自身も、本当に大変な日々を送っているのではないかと心配です。
何か起きてからでは遅いのです。
責任逃れを続ける都の担当者も、自陣からの空論ばかりを続ける会派も、物言えぬ幼い子ども達や保護者、必死に頑張る先生方が抱える今そこにある現実を、いったいなんだと思っているのでしょうか…。
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この国のエライ人たちは、まったく何を考えているのでしょう?
役人にとっては、待機児は単に「数」でしかなく、数を減じるためには何でもアリにする、ということなのでしょうか。
こんなことでよいのであれば待機児童はさっさと片付くわけですが、まさに禁じ手に手を染めることを決めた、ということであり、詐欺にも等しい手法だと思います。

平成12年に規制緩和の一環として保育所設置基準を変えたことで、その後いったい何が起きたのか?
東村山で平成15年以来続いている事態は、その最悪の姿を示しています。

先日、札幌で起きたある事件が報じられました。
既に、こちらのブログで詳細を伝えてくださっていますが、無認可保育所を認可保育所にするために社会福祉法人化しようとした際に、経済的基盤がないと認可されないというハードルがあるために偽装工作をしてしまった、という話です。
もちろんルール違反を犯したのですから社会的制裁は受けなければなりませんが、本来経るべき道(社福化)を経ようとしてのことだということがわかります。
一方で、全国で誰も思い持つかなった方法、つまり、一個人が1億数千万円をわずか10年返済・無担保同然で借りこんでハコモノを設置し、開園後は補助金からその返済を最優先するという保育所は、どうして問題とされないのでしょうか?

それまで全く認められていなかった社会福祉法人立以外の設置にあたっても、当然「保育所の設置認可等について」という厚生省通知(通称295号通知)の第一(3)として次のように定めています。


(三) 社会福祉法人以外の者による設置認可申請
(1)審査の基準
社会福祉法人以外の者から保育所の設置認可に関する申請があった場合には、以下の基準に照らして審査すること。

ア  保育所を経営するために必要な経済的基礎があること。

イ  経営者(設置者が法人である場合にあっては、当該法人の経営に携わる役員とする。以下同じ。)が社会的信望を有すること。

ウ  (ア)及び(イ)のいずれにも該当するか、又は(ウ)に該当すること。
(ア)  実務を担当する幹部職員が、保育所等において二年以上勤務した経験を有する者であるか、若しくはこれと同等以上の能力を有すると認められる者であるか、又は、経営者に社会福祉事業について知識経験を有する者を含むこと。
(イ)  社会福祉事業について知識経験を有する者、保育サービスの利用者(これに準ずる者を含む。)及び実務を担当する幹部職員を含む運営委員会(保育所の運営に関し、当該保育所の設置者の相談に応じ、又は意見を述べる委員会をいう。)を設置すること。
(ウ)  経営者に、保育サービスの利用者(これに準ずる者を含む。)及び実務を担当する幹部職員を含むこと。

エ  保育所を経営する事業に関し、不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者でないこと。

オ  財務内容が適正であること。  



りんごっこ保育園の保育材料費が、他園平均の子ども1名あたり月額1,562円に対して177円であることが6月議会で確認されましたが、絵本やおもちゃも殆ど新しいものがなく、園内の備品も多くが百円均一と思われる物だったり、タオルや雑巾を保護者に提供を求めたりしていることが何名もの保護者から伝わってきていますし、職員の処遇についても様々な問題を耳にしています。

年間8,000万円強の補助金収入の中から、何があっても1千数百万円の返済を最優先して決して滞らせてはならないなどという経営環境は、全国探してもほぼ例がありません。
他の自治体ではこういう状態を「経済的基礎がある」とは判断しない、ということでしょう。

このあたりについては、こちらのブログがシリーズで克明に記してくださっています。
開園騒動の頃を知る者の一人として、ぜひ多くの方にお読みいただきたいと思っています。

先日お会いしたりんごっこ保育園の保護者の方が、深いため息をつきながらこうおっしゃいました。
「それでも、保護者との信頼関係をしっかりつくりたい、という思いが園から伝わってくるならば、こんな思いにはならないと思うのです。」

4月1日から送迎時に保護者が園舎内に入れなくなった状況は、3か月半経った今も変わっておらず、不安を訴える声は後を絶ちません。市の窓口にも転園を求める声が続き、昨年度は25名、この4月からだけでも20名以上が転園希望を出しているそうです。
そして、本来は抜き打ち検査の権限さえ持つ東京都福祉保健局の担当課長は、園が「市には権限がない」と居直っていることを十分知りながら、「市の責任でおこなってほしい」と言って未だに腰の引けた対応を続けています。

市議会でも、規制緩和総体を批判し、待機児「数」を解消できない市の責任を追及することには余念がないものの、目の前で起きている酷い現実にはちっとも向き合おうとしない会派があります。

保育士がどんどん入れ替わり、名前と顔が一致しない先生が何人もいる、と聞きます。
先生方自身も、本当に大変な日々を送っているのではないかと心配です。
何か起きてからでは遅いのです。
責任逃れを続ける都の担当者も、自陣からの空論ばかりを続ける会派も、物言えぬ幼い子ども達や保護者、必死に頑張る先生方が抱える今そこにある現実を、いったいなんだと思っているのでしょうか…。
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【2008/07/14 23:19】 | 子ども&子育て
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酷いですね
akikenyou
先日、某子供会でI氏とご一緒して、切々とこの問題をお話ししてました。
私は呆れ返るだけでいいのでしょうか…

何かあれば声かけてくださいね。

ほんとの微力ですがお手伝いします。

Re:酷いですね
佐藤まさたか
akikenyouさん いつもありがとうございます。

保育園は、人と人とをつなぐところであり、人を信じてともに生きていくことの大切さを伝え合える場だと私は思っています。
いろいろな経過や問題はともかくとしても、「保護者や地域の目を積極的に入れて、ともに子どもを育てる」という大原則だけは大事にしてほしいと思います。

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この記事へのコメント
酷いですね
先日、某子供会でI氏とご一緒して、切々とこの問題をお話ししてました。
私は呆れ返るだけでいいのでしょうか…

何かあれば声かけてくださいね。

ほんとの微力ですがお手伝いします。
2008/07/16(Wed) 17:12 | URL  | akikenyou #IqyBBTXc[ 編集]
Re:酷いですね
akikenyouさん いつもありがとうございます。

保育園は、人と人とをつなぐところであり、人を信じてともに生きていくことの大切さを伝え合える場だと私は思っています。
いろいろな経過や問題はともかくとしても、「保護者や地域の目を積極的に入れて、ともに子どもを育てる」という大原則だけは大事にしてほしいと思います。
2008/07/22(Tue) 09:48 | URL  | 佐藤まさたか #-[ 編集]
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