無所属の東村山市議会議員・佐藤まさたかです。市議としての活動、考え、こぼれ話、余談、雑感…。実感ある発信を続けていきたいと思っています。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

報告が3日ほど遅くなりました。すみません。
火曜日(28日)午後、環境建設委員会を開催し、「諏訪町の田んぼの保全を求める陳情」について、7月17日(金)に続いて審査を行いましたので、自分でメモをした範囲で報告をします。

1時30分から、審査の進め方の確認、質疑後の陳情の取り扱いについて、委員間で若干の意見交換を行いましたが、なかなか折り合いませんでした。そのため、傍聴者をこれ以上待たせることはできないので、議論は開会後に継続するべきと考え、1時45分に開会を告げて一旦休憩を宣し、前回同様30名近い傍聴の方が続々と傍聴席に着かれるのを待ってから、再開としました。

前回の委員会審査では、以下の3点が集約されました。


1.陳情書には「渡部市長は、東京都に相談し、この田んぼの保全について検討したいとしていますが、議会もこの件で推進の決議を上げてほしいと話しています」とある点をはじめ、市長に直接確認しないと判然としない点があるので、市長の出席を要請する。
2.開発が進行する田んぼを買い戻して整備するといっても、どのような見通し、可能性を持った中での話なのか、費用がどれほどかかると算定しているのか等々、陳情者に直接確認しないと判然としない点がある。請願であれば紹介議員に出席を求めるのが東村山市議会の通例だが、陳情には紹介議員がないため、陳情者本人に参考意見を陳述していただく。
3.閉会中の審査は月に1度程度が通例だが、当該地は民間宅地開発として日々開発と販売が進行しており、委員会としての結論を少しでも早く出すことが不可欠と判断される。そのため、異例だが前回から10日余りでの開催とする。


開会後、前回の集約結果を委員長として皆さんに説明した上で、まず、陳情者の方に、概ね5分程度で意見陳述をしていただき、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたい旨をお話し、行政側の席の前に設けた席に着いていただきました。

陳情者の意見陳述は、あくまで審査のための参考意見として、という扱いとすることが集約されていましたので、休憩中に行う、という形を取らせていただきました。

ここでは、実際にお話をいただいた内容と質疑の骨子について、自分で書きとめた範囲でお伝えしようと思います。


・陳情には「市長が、市議会が推進の決議を上げてほしい」とあるとしたが、市長は市長、議会は議会なので、市議会としての立場を明確にしてほしい。
・行政を監視する立場の議会として、昨年11月(田んぼの所有者から市に対して買取り申請があった時期)から今まで知らされずに来たことを考えてほしい。
・緑の基本計画を進める市民会議や緑化審議会も知らなかった経過があり、市民会議からは「経過がけしからん」という要望書が出ているはず。
・自分達としてもっとじっくり取り組む時間があれば、渕の森対岸緑地のようなことが可能だったが、まとまったお金も余裕もなかった。
・緑地保全基金やアメニティ基金が市にはある。さしあたっていろんな基金から出して、この場をしのがせてほしい。
・田んぼはあらゆる命の源であり、大事なもの。残せば子や孫の世代にまで大きな意味を持つ。2億や3億は、そう考えればほんの僅かな金額に過ぎない。
・どうか陳情を否決しないでほしい。


陳情者の方から冒頭、5分という時間についてあまり厳密ではい取り扱いをしてほしい、旨の発言もあり、実際には10分を超えてお話をいただいてから、委員からの質疑に移りました。
おもな質疑と答えについても触れておきます。


大塚)現場を田んぼとして残すための費用はどれくらいと考えておられますか?
A.今の状態についての費用はわからないが、みんなで考えていくことではないか。5月13日まで(造成が始まるまで)は2億円はいかないということだった。復元するには2、3年かかるだろう。市として止めるように動いてくれ、とお願いしたが、無理だった。

大塚)現状ではもっと費用は膨らんでいるでしょう。財源はどこに求められるとお考えですか?それについての市民合意は図れるとお考えでしょうか?
A)(当該地域は都内から来ると)、最初の丘陵、最初の里山であり、守る大切さは大変大きい。歴史的な価値、田んぼというものの値打ち、命の基本としての田んぼ…しっかり説明すれば、合意はなると考えている。

保延)東村山の田んぼの意義を改めて認識しました。「都がメニューを検討している」と陳情書にあるが、ご説明願いたい。
A)6月2日に東京都の政務特別秘書官に会い、「市長次第、市の姿勢次第であり、都としても検討しておく」と言われた。6月10日に市長に会ってお願いした際に、「議会が決議を…」と言われた。

保延)陳情書にある通りということですね。市長が「都に相談し、この田んぼの保全について検討したいとしていますが、議会もこの件で推進の決議を上げてほしいと話しています」というやり取りがあったということですね?
A)行政文書というものが出せるそうじゃないですか。お願いします。と市長に言った。

保延)土地の現所有者の態度はどのようなものですか?
A)住宅販売会社としては、市や都のしかるべき人から公有地化の話があれば事業を止められるが、資金面のこともあり、既定方針通り進めると。6月12日(陳情提出)から7月17日(前回の委員会)まで、雨の中でも工事はどんどん進んだ。市にお願いしているのに、(自分たちで)お金を集めるわけにはいかない。
会社の方に会った際には「残したい気持はわかる」とおっしゃっていた。立場が違っても理解してもらえるのだと思っていたら、土が盛られ、「もう話はしません」と言われた。

保延)大きく二つの問題があると思う。田んぼとして残さなければいけないのにやらなかったのか。それともそうではなかったのか。残さなければいけないけれど、進んでしまったのか。
全市民的な議論があれば違った展開となり、復元可能ではないかと考えるが、他に事例はないのですか?

A)世田谷区の公園や、江東区、葛飾区曳舟川沿いに、公園内に田んぼを復元した事例がある。

北久保)市が守るべき緑を全部買い取るとすると、100億円とも300億円とも言われるので、どうしても優先順位をつけざるを得ないと思います。厳しい言い方だが、ここは優先順位が低かったということではないでしょうか。優先順位ということや、緑を残す方法をどうお考えでしょうか。市の今の財政状況もありますので。
A)ある都議に会ったら、「農地にかかる相続税は日本だけ。変えなければならない」とおっしゃっていた。人口減少時代を迎え、全部を宅地にせずに保全することを考えるべき。国家的レベルの議論があっていいと思う。畑や屋敷林までは手が及ばなくてもやむを得ないと思うが、田んぼはあらゆる生き物を育む命の宝庫。田んぼは残しましょう。2、3億円は後世の子どもたちや孫たちに何を残すかと考えれば大きな額ではない。他へもっと訴えかければよかったと思うが、必ず守れると思っている。陳情を否決しないでほしい。


ここで時計を見ると、2時40分を回っていました。進行しながらですので、やり取りの全部をメモできたわけではなく、特に陳情者の発言については書きとめきれないものが多くありました。

ここで陳情者にはご退席いただき(傍聴席に戻っていただき)、再開をを宣し、陳情者からいただいた資料や今聞いたばかりの生の声などを踏まえて、各委員からの質疑、意見の時間に入りました。


保延)市長の考えを聞きたい。2007年の読売新聞記事には「農地を残したい」と発言したとあり、木原衆議院議員も同様の発言をしたとあるが、事実か。
市長)事実です。

保延)陳情者が「都に相談し、この田んぼの保全について検討したいとしていますが、議会もこの件で推進の決議を上げてほしいと話しています」としているのは事実か。
市長)どう受け止められたのかはわらかないが、5月に初めて陳情者にお会いし、「なぜ買い取らなかったのか?」と言われたので、説明をし、買い取れない事情をお話しした。議会は議会なので、また違うご判断があるかもしれない、とお話しした。都への働きかけという点は、「市として買うことはできないが、都が買うということがあるならば」と申し上げた記憶はある。

保延)本件の田んぼを残す努力はどう行ったのか?
市長)努力が足りなかったと言われれば、足りなかったかもしれない。2年前に自分も田植えをしたところを含んでいることは承知していたし、何とかならないものか、と考えた。
買い取り請求があった頃(昨年11月)は、北山公園用地を追加取得する話があり、その際の買い取り単価が1㎡あたり約20万円だったので、この田んぼを買い取ると3億円を超える金額になると試算した。
緑地としての保全順位は、公園としての網かけや緑地保護指定というルールで進めてきたが、農地については残念ながらこれまで庁内議論は無く、議会でも無かったと記憶している。
農地については年間で約40件の買い取り請求があるが、これまでは都市計画用地であるかどうかだけで判断をしてきたことは事実。田んぼの希少価値は承知しているつもりだが、手続きとして市民合意があるところでなければならない。主観的に公有地化はできないと判断をした。
農地は農地のまま保全すべきだと考えている。生産緑地法では、営農を続ければ税の猶予が受けられるが、相続が発生すれば一定の農地を手放さないと税が払えない現実がある。農家も農地として収益が上がっていれば、手放さない。
38自治体で構成する都市農地保全推進自治体協議会を結成し、国に対して、農業が続けられる税法や相続税制度の見直し等を要求している。
田んぼは希少性は理解するが、農家として営農するには収益が上がらないのも事実。泣く泣く手放さざるを得ない事情があることは理解している。
問題は手続きであり、財源。
「何のために農地を残すのか」「残してからどう活用するのか」について議論をしないといけない。

保延)努力の余地はもっとあったかもしれない、というニュアンスを受け取った。田んぼのとしての意義が議論になっている。私も認識を新たにした。書類上、田を畑と誤記した、と前回の委員会で答弁されたが、田んぼなら大きな違いがあったのではないのか。
市長)誤記についてはお詫びしたい。
しかし、起案時に書類を見た際には、田んぼであることは十分承知していた。買い取りに必要な金額を考え、公園用地ではないので単費(国や都の補助金なしの市単独負担)となるので、田んぼの希少性は認識していたが、「買い取った場合にどう活用するか」の議論がない中、購入ありきでよいのか、と考えた。
北山公園内田んぼの民有地は必ず公有地化すると言って来たので行う。田んぼの教育的、文化的価値は理解しているが、限られた財政の中で優先順位を考えざるを得ず、公園区域内の田んぼの方が、市民、議会の理解を得やすいと判断した。

保延)都とは相談したか。
市長)(陳情者の方が)都の秘書官とお会いになったということで、都から照会はあった。市が主体となって買い取るならば都は(補助金の)メニューがあるが、都のメニューとしては無い、と聞いている。公園指定や都の緑地指定などの前段のアクションがないと、都も買い取りは難しいと判断している。萩山民設公園や淵の森対岸緑地のケースを見ても、思いだけで都が補助をすることはあり得ない。そのことは保延議員もよくご存じのはず。

大塚)7月18日のタウンミーティングで市長が2年前の読売記事の発言を聞かれて「一般論」と答えたと聞いているが。
市長)弁明をするわけではないが、特定の農地を指しての読売新聞での発言ではない。当時、JA(市庁舎そばの会場)で、「東京の農地保全についての討論会」が開かれ、それを踏まえて発言したもの。私が議員になった平成3年に約250haあった農地は、今では145haに激減している。このままいけば、市内から農地が無くなってしまうという危機感がある。
農地保全には2つの壁があると考えている。
一つは税制。もう一つは、農業を産業として成り立たせるにはどうするか、という問題。
生産性が低い農地を駐車場にして、相続が起こるとそれを維持させるために、さらに農地を切り売りするという悪循環が起きている。
国に対して、税制を変えように長として求めていく。市内では、果樹と花卉農家が収益性高く、後継者もいるが、かつて一帯でつくられていた小麦や甘藷(サツマイモ)などは大変厳しく、水田はもっと厳しいのが現実。
農地として継続する、産業としての継続性を考えないと、農地減少に歯止めはかからない。仮に現在の145haの農地を公有化しようとすれば、2,000億円以上が必要になる。

大塚)緑化審や緑の市民会議への情報提供がなかったが。
市長)検討しなければならない課題だと考えている。保護緑地については緑化審に全て諮っているが。現在、指定緑地は39か所、12.89haある。
生産緑地についての報告の仕組みはなかったので、今後どうしていくのか。
個人の財産なので個人情報だという大きな問題あるが、一定の検討は必要だろう。
農地も保全するとしたら、その目的と活用はどうするのか。これまで、農地の公有化という議論はなかったので、議会も含めて議論しないといけないし、今後十分に検討する必要があると考えている。

大塚)(緑の保護と育成に関する)条例の実効性の担保がされていなかったことは大きな問題だと思うが、営農するための税法、農地法の改正を働きかけたいという言葉が市長から聞けたことはよかった。
このようなことを繰り返さないためには新たなルールが必要であるということだが、、タテワリではなく受け皿となる仕組み、評価・判断するシステムについての道筋、見通しはどうか。

市長)「農地保全」は新たな視点となる。所管は市民部サイド(農業委員会の所管)もあるので、基準、公有地化後の活用については、現段階では見通しは持っていない。議会での議論も聞きながら考えていきたい。

大塚)緑化基金も底を尽きつつある状態で、基金や寄付についての考えは?
市長)淵の森対岸緑地(八郎山)の時もそうだったが、市が直接寄付を集めることは難しいので、緑を守る市民協議会に依頼をし、既に桜まつりの頃から大々的に始めていただいている。市としてもPRに勉めて財政支援をいただく活動を活発化していきたい。
行政組織としては全体の緑を考えるが、市民は「ここの緑を」とおっしゃる。一般論の難しさを感じているが今後十分検討していきたい。

保延)緑を守る市民会議から文書が出たのか。
課長)今日の午前中に市長あてに提出された。※項目読み上げるもメモできず。

保延)陳情は、歴史的文化的価値を守ってくれ、というもの。営農の継続を求めるものではない。田と畑の誤記はかなり大きな問題だ。市長には、歴史的文化的な価値をどう守るかの観点がない。そういう観点があれば、当然情報は必要な場に行ったはずだ。どうして全市民的な問題にならなかったのか。観点がないから情報が出なかった。もうどうしようもない、としないで、ここから出発したらどうか。
市長)生産緑地の買い取りは、今後の課題とさせてほしい。保護緑地の買い取り申請は年に1件程度だが、生産緑地は20件以上出されるし、個人財産としての問題でもある。
どういう機関にどういう情報を提供すべきなのか、難しい課題だと思う。
農地の公有化については、十分な議論がないといけないし、15万市民がいる中では、ずいぶん慎重にしなければならないことだと考える。
八郎山緑地も、優先順位になかった中であえて買ったのは、対岸の「淵の森」の過去の経過があったからであり、一団の緑地としてみなせるから、と判断した。
公有地化は、手続きとしてしっかりしたものでなくてはならないし、主観だけではできない。当該地も私として思い入れはあるが、それで公費投入ということには慎重にならざるを得ない。

保延)書類の所見欄には何もない。文化的価値に思いが至っていない。庁内手続きにその考え方がない。努力した痕も認められない。
市長)現行の制度上では、手続きに不備はないと考えている。
農地の公有化となれば、新たなステージに入ることになる。これまで保延議員からも(農地の公有化を)聞いたことはない。


以上で委員からの質疑、意見が出尽くし、今後の進め方について、委員間での議論に移りました。

保延)田んぼは残したいというのが、市長を含めてみんなの総意ではないか。ここまできたら、という意見には私は与しない。結論を出してしまうより、いい方法を探して協議すべき。復元は不可能ではないと思う。半年、1年したら不可能になってしまうが、今が引き返す最後のチャンスではないか。

北久保)先延ばしにすることはよくない。止めるなら今止めるべきだが、そうできない以上、結論を出すべき。

保延)もう一段の努力を市長に求めるべきではないか。

山川)地鎮祭も済んでいる区画もあり、時間がたてばたつほど扱いが難しくなる。まだ残っている両側の田んぼについてならわかるが、市がお金を出して買い戻して、その先どうするというのか?断腸の思いで手放した農家の思いを考えると切ない。先送りすることは、詳しい事情がわからずに署名をした方たちにも、まだ何とかなるという誤解を与えることになるので、結論を出すべき。

大塚)保延議員の発言がわからないわけではないが、先延ばしは無責任だと思う。今をストップできない以上、結論を出すべき。



このあと、私を含めてかなりやり取りをしたので、さすがにメモはとれていません。

結局、保延委員だけが継続審査を求めて意見集約ができなかったので、採決を図ることの賛否をまず諮り、賛成多数で採決に進むことを決めました。

その後、討論(意見・態度表明)に移り、4名の委員全員が順に行いましたが、これも聞きとることが精一杯で全くメモできていません。
そして採決へ。
「陳情に賛成の方の挙手を求めます」と諮ったところ、保延委員(共産党)だけが挙手のため、賛成少数で陳情は不採択と決まりました。

大変長い報告となりましたが、これでも半分以下だろうと思います。
今後、9月議会初日(8月27日)に、私が委員長報告を本会議場で行い、全議員による採決が行われて陳情の最終的な結論となります。



陳情は全議員に配布するだけ、としてきた東村山市議会で、本陳情を請願同様に扱うことに決めた6月15日。
そして7月17日の議論を経て、陳情者ご本人から意見陳述をしていただいた上で審査ができたことは、正副議長はじめ各委員の理解と協力があった結果であり、ささやかかもしれませんが、前進だと考えています。
議会は、多様な考え方を持った議員同士が、合意形成をめざして議論する場です。結論は必ずしも一致しません。しかし、だからこそ議論の過程で出される多様な意見が大切で、今回も、「農地の公有地化」という新たなテーマが明確になりました。
今後おそらく、議会での議論として、大事な課題となってくるでしょうし、市長も取り組むことを明言することとなりました。
また、議員だけで議論するのではなく、議会に対する市民の参画をどう実現するのか、というテーマも、今、全国の議会が取り組み始めていることです。
十分かつ正確な情報を共有し、立場や考え方の違いを尊重し合い、その上で十分に議論する。そして、よりよい道を拓いていく。

今回も、議会が十分に機能しているとはとても言えない状況です。それでも、半歩ずつでも「見える」方へ、「開く」方へ変えられるよう、努めていきたいと考えています。

スポンサーサイト


追記を閉じる▲
開会後、前回の集約結果を委員長として皆さんに説明した上で、まず、陳情者の方に、概ね5分程度で意見陳述をしていただき、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたい旨をお話し、行政側の席の前に設けた席に着いていただきました。

陳情者の意見陳述は、あくまで審査のための参考意見として、という扱いとすることが集約されていましたので、休憩中に行う、という形を取らせていただきました。

ここでは、実際にお話をいただいた内容と質疑の骨子について、自分で書きとめた範囲でお伝えしようと思います。


・陳情には「市長が、市議会が推進の決議を上げてほしい」とあるとしたが、市長は市長、議会は議会なので、市議会としての立場を明確にしてほしい。
・行政を監視する立場の議会として、昨年11月(田んぼの所有者から市に対して買取り申請があった時期)から今まで知らされずに来たことを考えてほしい。
・緑の基本計画を進める市民会議や緑化審議会も知らなかった経過があり、市民会議からは「経過がけしからん」という要望書が出ているはず。
・自分達としてもっとじっくり取り組む時間があれば、渕の森対岸緑地のようなことが可能だったが、まとまったお金も余裕もなかった。
・緑地保全基金やアメニティ基金が市にはある。さしあたっていろんな基金から出して、この場をしのがせてほしい。
・田んぼはあらゆる命の源であり、大事なもの。残せば子や孫の世代にまで大きな意味を持つ。2億や3億は、そう考えればほんの僅かな金額に過ぎない。
・どうか陳情を否決しないでほしい。


陳情者の方から冒頭、5分という時間についてあまり厳密ではい取り扱いをしてほしい、旨の発言もあり、実際には10分を超えてお話をいただいてから、委員からの質疑に移りました。
おもな質疑と答えについても触れておきます。


大塚)現場を田んぼとして残すための費用はどれくらいと考えておられますか?
A.今の状態についての費用はわからないが、みんなで考えていくことではないか。5月13日まで(造成が始まるまで)は2億円はいかないということだった。復元するには2、3年かかるだろう。市として止めるように動いてくれ、とお願いしたが、無理だった。

大塚)現状ではもっと費用は膨らんでいるでしょう。財源はどこに求められるとお考えですか?それについての市民合意は図れるとお考えでしょうか?
A)(当該地域は都内から来ると)、最初の丘陵、最初の里山であり、守る大切さは大変大きい。歴史的な価値、田んぼというものの値打ち、命の基本としての田んぼ…しっかり説明すれば、合意はなると考えている。

保延)東村山の田んぼの意義を改めて認識しました。「都がメニューを検討している」と陳情書にあるが、ご説明願いたい。
A)6月2日に東京都の政務特別秘書官に会い、「市長次第、市の姿勢次第であり、都としても検討しておく」と言われた。6月10日に市長に会ってお願いした際に、「議会が決議を…」と言われた。

保延)陳情書にある通りということですね。市長が「都に相談し、この田んぼの保全について検討したいとしていますが、議会もこの件で推進の決議を上げてほしいと話しています」というやり取りがあったということですね?
A)行政文書というものが出せるそうじゃないですか。お願いします。と市長に言った。

保延)土地の現所有者の態度はどのようなものですか?
A)住宅販売会社としては、市や都のしかるべき人から公有地化の話があれば事業を止められるが、資金面のこともあり、既定方針通り進めると。6月12日(陳情提出)から7月17日(前回の委員会)まで、雨の中でも工事はどんどん進んだ。市にお願いしているのに、(自分たちで)お金を集めるわけにはいかない。
会社の方に会った際には「残したい気持はわかる」とおっしゃっていた。立場が違っても理解してもらえるのだと思っていたら、土が盛られ、「もう話はしません」と言われた。

保延)大きく二つの問題があると思う。田んぼとして残さなければいけないのにやらなかったのか。それともそうではなかったのか。残さなければいけないけれど、進んでしまったのか。
全市民的な議論があれば違った展開となり、復元可能ではないかと考えるが、他に事例はないのですか?

A)世田谷区の公園や、江東区、葛飾区曳舟川沿いに、公園内に田んぼを復元した事例がある。

北久保)市が守るべき緑を全部買い取るとすると、100億円とも300億円とも言われるので、どうしても優先順位をつけざるを得ないと思います。厳しい言い方だが、ここは優先順位が低かったということではないでしょうか。優先順位ということや、緑を残す方法をどうお考えでしょうか。市の今の財政状況もありますので。
A)ある都議に会ったら、「農地にかかる相続税は日本だけ。変えなければならない」とおっしゃっていた。人口減少時代を迎え、全部を宅地にせずに保全することを考えるべき。国家的レベルの議論があっていいと思う。畑や屋敷林までは手が及ばなくてもやむを得ないと思うが、田んぼはあらゆる生き物を育む命の宝庫。田んぼは残しましょう。2、3億円は後世の子どもたちや孫たちに何を残すかと考えれば大きな額ではない。他へもっと訴えかければよかったと思うが、必ず守れると思っている。陳情を否決しないでほしい。


ここで時計を見ると、2時40分を回っていました。進行しながらですので、やり取りの全部をメモできたわけではなく、特に陳情者の発言については書きとめきれないものが多くありました。

ここで陳情者にはご退席いただき(傍聴席に戻っていただき)、再開をを宣し、陳情者からいただいた資料や今聞いたばかりの生の声などを踏まえて、各委員からの質疑、意見の時間に入りました。


保延)市長の考えを聞きたい。2007年の読売新聞記事には「農地を残したい」と発言したとあり、木原衆議院議員も同様の発言をしたとあるが、事実か。
市長)事実です。

保延)陳情者が「都に相談し、この田んぼの保全について検討したいとしていますが、議会もこの件で推進の決議を上げてほしいと話しています」としているのは事実か。
市長)どう受け止められたのかはわらかないが、5月に初めて陳情者にお会いし、「なぜ買い取らなかったのか?」と言われたので、説明をし、買い取れない事情をお話しした。議会は議会なので、また違うご判断があるかもしれない、とお話しした。都への働きかけという点は、「市として買うことはできないが、都が買うということがあるならば」と申し上げた記憶はある。

保延)本件の田んぼを残す努力はどう行ったのか?
市長)努力が足りなかったと言われれば、足りなかったかもしれない。2年前に自分も田植えをしたところを含んでいることは承知していたし、何とかならないものか、と考えた。
買い取り請求があった頃(昨年11月)は、北山公園用地を追加取得する話があり、その際の買い取り単価が1㎡あたり約20万円だったので、この田んぼを買い取ると3億円を超える金額になると試算した。
緑地としての保全順位は、公園としての網かけや緑地保護指定というルールで進めてきたが、農地については残念ながらこれまで庁内議論は無く、議会でも無かったと記憶している。
農地については年間で約40件の買い取り請求があるが、これまでは都市計画用地であるかどうかだけで判断をしてきたことは事実。田んぼの希少価値は承知しているつもりだが、手続きとして市民合意があるところでなければならない。主観的に公有地化はできないと判断をした。
農地は農地のまま保全すべきだと考えている。生産緑地法では、営農を続ければ税の猶予が受けられるが、相続が発生すれば一定の農地を手放さないと税が払えない現実がある。農家も農地として収益が上がっていれば、手放さない。
38自治体で構成する都市農地保全推進自治体協議会を結成し、国に対して、農業が続けられる税法や相続税制度の見直し等を要求している。
田んぼは希少性は理解するが、農家として営農するには収益が上がらないのも事実。泣く泣く手放さざるを得ない事情があることは理解している。
問題は手続きであり、財源。
「何のために農地を残すのか」「残してからどう活用するのか」について議論をしないといけない。

保延)努力の余地はもっとあったかもしれない、というニュアンスを受け取った。田んぼのとしての意義が議論になっている。私も認識を新たにした。書類上、田を畑と誤記した、と前回の委員会で答弁されたが、田んぼなら大きな違いがあったのではないのか。
市長)誤記についてはお詫びしたい。
しかし、起案時に書類を見た際には、田んぼであることは十分承知していた。買い取りに必要な金額を考え、公園用地ではないので単費(国や都の補助金なしの市単独負担)となるので、田んぼの希少性は認識していたが、「買い取った場合にどう活用するか」の議論がない中、購入ありきでよいのか、と考えた。
北山公園内田んぼの民有地は必ず公有地化すると言って来たので行う。田んぼの教育的、文化的価値は理解しているが、限られた財政の中で優先順位を考えざるを得ず、公園区域内の田んぼの方が、市民、議会の理解を得やすいと判断した。

保延)都とは相談したか。
市長)(陳情者の方が)都の秘書官とお会いになったということで、都から照会はあった。市が主体となって買い取るならば都は(補助金の)メニューがあるが、都のメニューとしては無い、と聞いている。公園指定や都の緑地指定などの前段のアクションがないと、都も買い取りは難しいと判断している。萩山民設公園や淵の森対岸緑地のケースを見ても、思いだけで都が補助をすることはあり得ない。そのことは保延議員もよくご存じのはず。

大塚)7月18日のタウンミーティングで市長が2年前の読売記事の発言を聞かれて「一般論」と答えたと聞いているが。
市長)弁明をするわけではないが、特定の農地を指しての読売新聞での発言ではない。当時、JA(市庁舎そばの会場)で、「東京の農地保全についての討論会」が開かれ、それを踏まえて発言したもの。私が議員になった平成3年に約250haあった農地は、今では145haに激減している。このままいけば、市内から農地が無くなってしまうという危機感がある。
農地保全には2つの壁があると考えている。
一つは税制。もう一つは、農業を産業として成り立たせるにはどうするか、という問題。
生産性が低い農地を駐車場にして、相続が起こるとそれを維持させるために、さらに農地を切り売りするという悪循環が起きている。
国に対して、税制を変えように長として求めていく。市内では、果樹と花卉農家が収益性高く、後継者もいるが、かつて一帯でつくられていた小麦や甘藷(サツマイモ)などは大変厳しく、水田はもっと厳しいのが現実。
農地として継続する、産業としての継続性を考えないと、農地減少に歯止めはかからない。仮に現在の145haの農地を公有化しようとすれば、2,000億円以上が必要になる。

大塚)緑化審や緑の市民会議への情報提供がなかったが。
市長)検討しなければならない課題だと考えている。保護緑地については緑化審に全て諮っているが。現在、指定緑地は39か所、12.89haある。
生産緑地についての報告の仕組みはなかったので、今後どうしていくのか。
個人の財産なので個人情報だという大きな問題あるが、一定の検討は必要だろう。
農地も保全するとしたら、その目的と活用はどうするのか。これまで、農地の公有化という議論はなかったので、議会も含めて議論しないといけないし、今後十分に検討する必要があると考えている。

大塚)(緑の保護と育成に関する)条例の実効性の担保がされていなかったことは大きな問題だと思うが、営農するための税法、農地法の改正を働きかけたいという言葉が市長から聞けたことはよかった。
このようなことを繰り返さないためには新たなルールが必要であるということだが、、タテワリではなく受け皿となる仕組み、評価・判断するシステムについての道筋、見通しはどうか。

市長)「農地保全」は新たな視点となる。所管は市民部サイド(農業委員会の所管)もあるので、基準、公有地化後の活用については、現段階では見通しは持っていない。議会での議論も聞きながら考えていきたい。

大塚)緑化基金も底を尽きつつある状態で、基金や寄付についての考えは?
市長)淵の森対岸緑地(八郎山)の時もそうだったが、市が直接寄付を集めることは難しいので、緑を守る市民協議会に依頼をし、既に桜まつりの頃から大々的に始めていただいている。市としてもPRに勉めて財政支援をいただく活動を活発化していきたい。
行政組織としては全体の緑を考えるが、市民は「ここの緑を」とおっしゃる。一般論の難しさを感じているが今後十分検討していきたい。

保延)緑を守る市民会議から文書が出たのか。
課長)今日の午前中に市長あてに提出された。※項目読み上げるもメモできず。

保延)陳情は、歴史的文化的価値を守ってくれ、というもの。営農の継続を求めるものではない。田と畑の誤記はかなり大きな問題だ。市長には、歴史的文化的な価値をどう守るかの観点がない。そういう観点があれば、当然情報は必要な場に行ったはずだ。どうして全市民的な問題にならなかったのか。観点がないから情報が出なかった。もうどうしようもない、としないで、ここから出発したらどうか。
市長)生産緑地の買い取りは、今後の課題とさせてほしい。保護緑地の買い取り申請は年に1件程度だが、生産緑地は20件以上出されるし、個人財産としての問題でもある。
どういう機関にどういう情報を提供すべきなのか、難しい課題だと思う。
農地の公有化については、十分な議論がないといけないし、15万市民がいる中では、ずいぶん慎重にしなければならないことだと考える。
八郎山緑地も、優先順位になかった中であえて買ったのは、対岸の「淵の森」の過去の経過があったからであり、一団の緑地としてみなせるから、と判断した。
公有地化は、手続きとしてしっかりしたものでなくてはならないし、主観だけではできない。当該地も私として思い入れはあるが、それで公費投入ということには慎重にならざるを得ない。

保延)書類の所見欄には何もない。文化的価値に思いが至っていない。庁内手続きにその考え方がない。努力した痕も認められない。
市長)現行の制度上では、手続きに不備はないと考えている。
農地の公有化となれば、新たなステージに入ることになる。これまで保延議員からも(農地の公有化を)聞いたことはない。


以上で委員からの質疑、意見が出尽くし、今後の進め方について、委員間での議論に移りました。

保延)田んぼは残したいというのが、市長を含めてみんなの総意ではないか。ここまできたら、という意見には私は与しない。結論を出してしまうより、いい方法を探して協議すべき。復元は不可能ではないと思う。半年、1年したら不可能になってしまうが、今が引き返す最後のチャンスではないか。

北久保)先延ばしにすることはよくない。止めるなら今止めるべきだが、そうできない以上、結論を出すべき。

保延)もう一段の努力を市長に求めるべきではないか。

山川)地鎮祭も済んでいる区画もあり、時間がたてばたつほど扱いが難しくなる。まだ残っている両側の田んぼについてならわかるが、市がお金を出して買い戻して、その先どうするというのか?断腸の思いで手放した農家の思いを考えると切ない。先送りすることは、詳しい事情がわからずに署名をした方たちにも、まだ何とかなるという誤解を与えることになるので、結論を出すべき。

大塚)保延議員の発言がわからないわけではないが、先延ばしは無責任だと思う。今をストップできない以上、結論を出すべき。



このあと、私を含めてかなりやり取りをしたので、さすがにメモはとれていません。

結局、保延委員だけが継続審査を求めて意見集約ができなかったので、採決を図ることの賛否をまず諮り、賛成多数で採決に進むことを決めました。

その後、討論(意見・態度表明)に移り、4名の委員全員が順に行いましたが、これも聞きとることが精一杯で全くメモできていません。
そして採決へ。
「陳情に賛成の方の挙手を求めます」と諮ったところ、保延委員(共産党)だけが挙手のため、賛成少数で陳情は不採択と決まりました。

大変長い報告となりましたが、これでも半分以下だろうと思います。
今後、9月議会初日(8月27日)に、私が委員長報告を本会議場で行い、全議員による採決が行われて陳情の最終的な結論となります。



陳情は全議員に配布するだけ、としてきた東村山市議会で、本陳情を請願同様に扱うことに決めた6月15日。
そして7月17日の議論を経て、陳情者ご本人から意見陳述をしていただいた上で審査ができたことは、正副議長はじめ各委員の理解と協力があった結果であり、ささやかかもしれませんが、前進だと考えています。
議会は、多様な考え方を持った議員同士が、合意形成をめざして議論する場です。結論は必ずしも一致しません。しかし、だからこそ議論の過程で出される多様な意見が大切で、今回も、「農地の公有地化」という新たなテーマが明確になりました。
今後おそらく、議会での議論として、大事な課題となってくるでしょうし、市長も取り組むことを明言することとなりました。
また、議員だけで議論するのではなく、議会に対する市民の参画をどう実現するのか、というテーマも、今、全国の議会が取り組み始めていることです。
十分かつ正確な情報を共有し、立場や考え方の違いを尊重し合い、その上で十分に議論する。そして、よりよい道を拓いていく。

今回も、議会が十分に機能しているとはとても言えない状況です。それでも、半歩ずつでも「見える」方へ、「開く」方へ変えられるよう、努めていきたいと考えています。

スポンサーサイト

【2009/07/31 23:58】 | 変えよう!議会
トラックバック(0) |
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。